写真の生成から外部サービスへの申請提出まで、AIに一気通貫でやらせてみた

AIエージェントに、素材の生成から外部サービスへの申請提出までを、人の手を挟まずに最後までやらせてみました。今回題材にしたのはLINEスタンプの自動生成と申請ですが、注目してほしいのはスタンプそのものではありません。「生成する→出来を確認する→外部のフォームに入力する→提出する」という、多くの企業の実務にも共通する多段階の作業を、AIが工程ごとの判断を自分でしながら通しでやり切れるかを試した記録です。非IT企業の現場でも、書類作成から社内チェック、外部サービスへの提出までが分断されている業務は少なくないはずです。

背景・課題

AIに「1つの作業」をやらせるデモはよく見ますが、実務の作業は大抵、複数の工程が連なっています。素材を作る、その出来を確認する、外部のフォームに入力する、ファイルを添付して提出する——工程ごとにツールや画面が変わるため、結局どこかで人が手を動かして工程をつなぎ直す必要があり、そこが作業のボトルネックになります。

この「工程の継ぎ目」をAIがまたげるかどうかを検証するため、写真からLINEスタンプを作り、LINE Creators Marketに申請するまでの一連の作業を題材に選びました。スタンプの需要を検証したかったわけではなく、①素材生成 → ②検証 → ③外部サービスへの入力 → ④提出、という構造が、社内書類の作成から外部システムへの登録申請まで、多くの管理部門の定型業務と同じ形をしているためです。

やったこと

使ったのはCodex(ChatGPTのデスクトップ自動化ツール)と、画像処理用のPython/Pillowです。手順は次の5段階でした。

  1. Codexデスクトップに作業の指示文を渡すと、Codexが必要なスキルを自力でローカルにインストールする
  2. 写真1枚と簡単な説明、4種類のスタイルから1つを選ぶと、Codexが透過PNGのスタンプを生成する。今回は32個のスタンプを4×4レイアウト・2シート構成で生成し、メイン画像(main.png)とタブ画像(tab.png)も含めて出力した
  3. 生成されたZIPパッケージの中身が仕様どおりかを検証する
  4. 「Codex in Chrome」というブラウザ自動操作機能を使い、LINE Creators Marketの申請フォームへの入力とファイルのアップロードまでを自動で行う
  5. 申請後、審査結果が出るまで1〜3日待つ

ここで重要なのは、2の生成が終わったあと、3の検証から4の外部サービスへの入力・提出まで、私が手を動かした工程がほとんど無かったという点です。指示を出したあとは、写真・説明・スタイルの選択という最初の入力だけで、あとはAIが工程を渡り歩いていきました。

結果

32個のスタンプが4×4レイアウト・2シートの仕様どおりに生成され、ZIPパッケージの検証を経て、LINE Creators Marketへの申請フォーム入力とファイルアップロードまでをCodexが完了させました。申請後は通常の審査フロー(1〜3日)に入るだけで、私が実質的に手を動かしたのは最初の指示出しと、写真・説明・スタイルの選択だけです。生成から提出までの間に、人が別の画面を開いて手作業で引き継ぐ工程は発生しませんでした。

つまずきと対処

実際にやってみると、いくつか癖のある挙動にも当たりました。失敗も含めてそのまま書きます。

  • 生成のたびに新しいチャットセッションを使う必要がありました。同じセッションを使い回すと処理エラーが発生したため、1回の生成ごとにセッションを立て直しています
  • ブラウザ自動操作にはChrome拡張機能の「ファイルURLアクセス」を有効にする必要がありました。デフォルト設定のままだと、ローカルファイルの参照でつまずきます
  • 自動操作中にChromeが時々フリーズすることがあり、様子を見て再実行する場面がありました
  • 生成された画像の仕上がりは、そのまま使える場合もあれば、微調整が必要な場合もありました

いずれも致命的な失敗ではありませんが、「完全放置でノーチェック」で回せる話ではなく、要所要所で人が様子を見る前提は必要だと感じました。特にセッションの立て直しと拡張機能の権限設定は、事前に知っていないとつまずきやすいポイントです。

まとめ

今回の検証でわかったのは、AIが「1つの作業」ではなく「複数の工程をまたぐ一連の作業」を、工程ごとの判断を自分でしながら最後まで進められるということです。素材を作る、検証する、外部サービスに入力する、提出する——この4工程を人の引き継ぎなしに通しで動かせたのは、LINEスタンプという題材だからではありません。工程の切れ目ごとに「次は何をすべきか」を判断できる自動化の仕組みがあれば、同じ構造の作業には応用が効くはずです。

もし御社に、書類やデータを作る→社内でチェックする→外部のシステムやサービスに入力・提出する、という流れの業務があれば、それは今回検証したものと同じ構造の作業かもしれません。どの工程が自動化できそうかは、業務ごとに実際に見てみないと分からない部分ではありますが、「工程がいくつかに分かれていて、その間を人が手作業でつないでいる」業務があるなら、一度見直す価値があります。

こうした多段階の定型業務の自動化については、AI導入支援サービスでご相談を承っています。気になる業務があれば、お問い合わせからお気軽にご連絡ください。