ChatGPT秘書シリーズ 第3弾|散歩しながら話すだけで日記になる

日記をつけたいのに、書く時間が取れない日はありませんか? ChatGPTと声で話して、最後に「記録しておいて」と頼めば、その会話がGoogle Driveに日記として残ります。

用意するのは、ChatGPTのプロジェクトに書く短い指示と、Driveに置く日記手順書の2つです。どちらもこの記事にひな形を全文載せているので、貼り付けて保存を1回試せば始められます。

よいところは、散歩しながら話すだけで日記がつけられることです。仕事のことでも、ふと考えていることでも、話題を決めずに話せます。

AIが聞き役になって相づちを打ち、ときどき問い返してくれます。話しているうちに頭が整理され、モヤモヤがすっきりしたり、次のアイデアが浮かんだりすると感じています。

そして何より大きいのは、あとから過去の自分を振り返れることです。そのとき何を考えていたかが文字で残るので、今の自分までの流れをたどれます。

仕組み:ChatGPTの指示と、Driveの日記手順書の2つで動く

子ギツネが声で話し、秘書プロジェクトが日記手順書と今日の予定を確認して聞き役になり、「記録しておいて」で会話の記録と整理メモがDriveに保存される流れの図解

私は、メールや名刺を任せているChatGPTの「秘書」プロジェクトに、日記の役目も持たせています。プロジェクトは、同じ用途のチャットと指示をまとめておける場所です。

プロジェクトの指示欄には、日記の始め方(予定の確認を含む)、聞き役になること、保存の決まりだけを短く書きます。細かい決まりはDriveの日記手順書に書き、ChatGPTは日記を始めるたびにそれを読みます。

こうしておくと、やり方を変えたい時は手順書を直すだけで済みます。指示欄はずっと短いままです。

流れは次のとおりです。

  1. 秘書プロジェクトで新しいチャットを開き、声で「今日の振り返りをしたい」と話しかける
  2. ChatGPTが日記手順書を読み、今日と明日のGoogleカレンダーの予定を、思い出す手がかりとして読む
  3. ChatGPTが聞き役になり、ときどき問い返しながら話を聞く
  4. 「記録しておいて」と頼むと、会話の記録と整理メモをDriveに保存する

声での会話には、途中で割り込んでも自然に続く「Live」という形式があり、私はこれを使っています(公式説明)。Liveを使える時間には、プランごとに上限があります。音声の形式は、ChatGPTの設定の音声の項目で選べます。

作り方:フォルダ・指示・手順書を用意して、1回試す

指示欄(入口)から、Driveの秘書フォルダ・日記フォルダにある日記手順書を参照し、日記をInboxフォルダに保存する関係の図解

必要なのは、ChatGPTのプロジェクトを使えるアカウントと、Google DriveとGoogleカレンダーへの接続です。接続できるサービスや操作の範囲は、プランによって変わります(公式説明)。

Driveは、見るだけでなく書き込みまで許可しておきます。接続するGoogleアカウントが、手順書を置くアカウントと同じかも確かめてください。

下の1と3は、ChatGPTに頼むこともできます。Driveに接続した状態で、次の文に続けて手順3のひな形を貼って送れば、決めた場所に置いてくれます。

マイドライブに「秘書/日記」フォルダを作り、その日記フォルダの中に、続けて貼った文をGoogleドキュメントの「日記手順書」として保存して。日記フォルダの中に、保存先の「Inbox」フォルダも作って。

1. Driveに「秘書」フォルダを作る

マイドライブに「秘書」フォルダを作り、その中に「日記」フォルダを作ります。第2弾で「秘書」フォルダを作った人は、それをそのまま使います。

日記フォルダには、日記手順書と、保存先の「Inbox」フォルダを置きます。私の環境では保存先を別のフォルダにしていますが、ここでは分かりやすく日記フォルダの中にまとめました。

マイドライブ/
└─ 秘書/
   └─ 日記/
      ├─ 日記手順書(Googleドキュメント)
      └─ Inbox/(日記の保存先)

手順書は業務ごとに1つだけにします。同じ目的の手順書が2つあると、ChatGPTがどちらに従えばよいか迷うためです。

2. プロジェクトの指示欄に、始め方と保存の決まりだけ書く

ChatGPTでプロジェクトを作り、指示欄に次の文を貼ります。すでに使っているプロジェクトなら、今の指示の末尾に足します。

私は秘書全体の決まりをDriveの「秘書業務手順書」にまとめ、指示欄からそこを見に行かせています。次の5行はその中の日記の部分で、日記だけを試すなら指示欄にそのまま貼れば十分です。

・「日記つけよう」「今日の日記」「振り返りたい」など、日記を始める意思が示されたら、Google Driveの「マイドライブ/秘書/日記/日記手順書」を確認し、最新の手順に従う。
・日記を始めたら、Googleカレンダーから日本時間の今日と明日の予定を取得する。日記以外の用件では、このために予定を取得しない。
・日記では聞き役に徹し、その日の出来事や考えを自然に掘り下げる。
・「日記保存して」「記録しておいて」など明示的な保存依頼がある時だけ、日記手順書に従って保存する。音声会話の途中や会話の終了時に自動で保存しない。
・保存先・保存する範囲・原文の残し方・重複の確認・保存後の照合は、日記手順書を正本とする。

3. 日記手順書を置く

「日記」フォルダにGoogleドキュメントを作り、名前を「日記手順書」にして次の文を貼ります。私が実際に使っている手順を、記事用にフォルダIDなどを外して書き直したものです。

日記手順書

■ 始め方
・日記を始めたら、日本時間の今日と明日のGoogleカレンダーの予定を取得する。
・予定は本人が思い出すための手がかりとして使う。自分から読み上げない。予定を「実際にあったこと」と決めつけず、会話で確かめる。

■ 会話中の振る舞い
・聞き役に徹する。質問は必要な時だけ、短く自然にする。
・話題が変わっても受け止める。
・AIが出した案を、本人が決めたこととして扱わない。

■ 保存のきっかけ
・「日記保存して」「記録しておいて」など、本人が明示した時だけ保存する。

■ 保存先と名前
・保存先:マイドライブ/秘書/日記/Inbox(Googleドキュメント)
・保存前に保存先フォルダの名前とリンクを読み戻して確認し、日本時間の現在日時を取得する。
・名前:YYYY-MM-DD_HHmmss_短いタイトル

■ 保存する範囲
・このチャットの最初の発言から、今回の保存依頼まで。直近の話題だけを選ばない。
・日記は1回ごとに新しいチャットで始める前提とする。日記以外の話が前にあるチャットなら、どこから保存するかを本人に確認する。
・本人が範囲を指定した時は、その指定に従う。

■ 本文の構成
1. 記録情報:保存日時、会話の日時(分からなければ不明)、最初と最後の発言、本人とAIそれぞれの発言数、取得できなかった部分
2. 原文:チャットに残っている本人とAIの発言を、話者を分けて時系列のまま書く。さらに省略・要約・言い換えをしない。パスワードなどの認証情報だけ[REDACTED]に置き換える
3. 整理メモ:出来事、気持ち、学び、次にやること。原文にない事実を足さない

■ 取得できない発言の扱い
・見えていない発言を推測で補わない。
・全文を取得できたか確かめられない時は、記録情報に「全文取得未確認」と取得できた範囲を書く。「すべて保存した」とは言わない。

■ 重複と上書きを防ぐ
・作る前に、このチャットで保存済みの文書がInboxにないか探す。完成済みの文書があれば新しく作らず、範囲も広げずに、そのリンクを返す。
・名前に「[保存途中]」が残った文書しかなければ、完成扱いにせず、その状態とリンクを伝えてから保存をやり直す。
・別の日記や、本人が編集した文書を上書きしない。

■ 保存の手順
1. 名前の先頭に「[保存途中] 」を付けて文書を作る
2. 本文を書き込む
3. 文書を読み戻し、発言数・原文・保存先が合っているか照合する
4. 合っていた時だけ「[保存途中] 」を外し、名前と保存先をもう一度確かめる
5. 「保存しました」と文書のリンクを返す。全文の一致が未確認なら、その旨も添える
・途中で失敗した時は成功扱いにせず、理由と、やり直しに必要な情報(最初と最後の発言、保存先)をチャットに残す

■ やらないこと
・共有、公開、権限の変更、削除、メール送信はしない

日記の中身を「記録情報・原文・整理メモ」の3つに分けたのは、まとめだけだと「なぜそう考えたのか」が抜け落ちるからです。読み返して役に立つのは、結論より、迷っていた途中のやり取りの方でした。

「原文」は、チャットに残った文字の記録のことです。声をそのまま写したものではないので、実際の言葉と少し違うことがあります。

名前に「[保存途中]」を付けてから外すのは、保存に失敗した文書を完成品と取り違えないためです。「[保存途中]」が残っていれば、確認まで終わっていないと分かります。

4. 1回話して、保存できるか確かめる

まず秘書プロジェクトの中で、文字で「マイドライブ/秘書/日記/日記手順書を開いて、最初の3行を見せて」と頼み、手順書を読めるか確かめます。続けて「今日の予定を教えて」と頼み、カレンダーも読めるか確かめます。

読めない時は、Googleの接続とアカウント、フォルダの場所を見直してください。

次に、秘書プロジェクトで新しいチャットを開き、2〜3分だけ話してみます。「振り返りたい」と話しかけて少し話し、「記録しておいて」と頼んだら、次の4点を確かめます。

  • Inboxに、決めた名前でGoogleドキュメントができている
  • 名前に「[保存途中]」が残っていない
  • 原文に、最初の発言から保存依頼までが話者付きで入っている
  • 同じ会話でもう一度頼むと、新しい文書を作らずに前のリンクが返ってくる

使い方:声で話して、最後に「記録しておいて」と頼む

声のまま「記録しておいて」と頼んで保存が終わるまで待つ方法と、声の会話を終えて文字で頼みアプリを閉じても保存が続く方法を比べた図解

日記をつける時は、秘書プロジェクトで新しいチャットを開き、声で話しかけます。「日記つけようかな」「今日の振り返りをしたい」のように話し始めれば、あとは思いつくままに話すだけです。

日記は1回ごとに新しいチャットで始めます。手順書が、1回の日記を1つのチャットで話す前提になっているためです。

話し終わったら「記録しておいて」と頼みます。頼まない限り、Driveには保存されません。ChatGPTの履歴に残る分は、下の「できないこと」で説明しています。

保存の頼み方は2つあります。

  • 声のまま頼む: 「保存しました」とリンクが返るまで、声の会話を止めずに待つ。途中で止めると、保存が最後まで終わらないことがある
  • 文字で頼む: 声の会話をいったん終え、話した内容がチャットに文字で出てから「記録しておいて」と送る。私の環境では、送ったあとアプリを閉じても保存は続いている

私は文字で頼む方を使っています。送ったあとはアプリを閉じられ、長く話した日も取りこぼしが少なくなるからです。

どちらの頼み方でも、保存の時に画面に確認が出ることがあります。声では答えられないので、画面をタップしてください。

私の使い方:1か月で16件、研修や営業の振り返りに使った

その日に話した内容が原文と整理メモとして残り、あとで開いて過去の自分の考えを振り返る流れの図解

使い始めて最初の1か月で、保存した日記は16件ありました。新しいサービス案の検討、交流会のあとの振り返り、仕事の進め方の見直しなど、話した内容はかなりばらばらです。

仕事以外に、家庭のことを話す日もあります。

印象に残っているのは、研修を終えた日の記録です。終わったあとも少しモヤモヤが残っていて、声で「今日の研修を振り返りたい」と話し始めました。

研修の前提や、次に変えたいところを話すうちに、考えが整理されていきました。最後には、受講者に自分の仕事へ置き換えて考えてもらう、という次回の進め方の案まで出ています。

別の日には、営業の面談を振り返りました。契約を急いで取りに行くより、まず相手の話を聞いて課題を理解する方がよい、という気づきを話しながら整理できました。

名刺管理を任せた第2弾のあとの、営業フォローの考え方にもつながる記録です。

ここに研修や営業の話を具体的に書けているのも、その日のうちに話して残していたからです。何を考えて次の進め方を決めたのか、1か月たった今でも記録を開けば思い出せます。

できないこと:Driveに録音は残らず、記録も一字一句ではない

Driveに残るもの(会話の文字・整理メモ)と、残らないもの(録音ファイル・一字一句の記録)を分けた図解

この仕組みでDriveに残るのは、会話から取り出せた文字の記録です。録音ファイルは保存していません。

ChatGPT側には、Liveの音声がチャット履歴とともに30日間保存されます(公式説明)。チャットを削除すると、その音声も原則30日以内に削除されますが、例外もあります。

家族の話など人に聞かれたくない内容を話す時は、この点も踏まえて判断してください。

長く話した日は、すべての発言を取り出せたか確かめられないことがあります。そのため手順書では、取れなかった部分を推測で埋めず、「全文取得未確認」と書く決まりにしています。

実際に保存した記録にも、この注記が付いたものがあります。

ほかの使い方:名刺管理も同じ形で動かしている

秘書フォルダの中に、日記・名刺管理・次の業務のフォルダがあり、それぞれに手順書を1つずつ置いている図解

フォルダと手順書を業務ごとに1組ずつ置く形は、日記だけのものではありません。第2弾の名刺管理も、「秘書/名刺管理」フォルダに手順書を置いて同じ形で動かしています。

任せる業務を増やす時は、フォルダと手順書を1組作り、その手順書を読みに行く1行を指示欄に足すだけです。

日記の手順書を少し書き換えれば、次のような使い方もできそうです。私はまだ試していないので、アイデアとして挙げておきます。

  • 週の初めに、先週のカレンダーを手がかりに1週間を振り返る
  • 商談や研修の前に、話したいことを声に出して整理し、準備メモとして残す
  • 新しいサービス案を話しながら詰め、検討の経緯ごと残す

AIに任せる業務を手順書で増やしていく仕組みづくりは、AI導入支援でご相談を承っています。